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国際法と国内法の関係について

平成13521日  木内 由美子

【学説の対立】

国際法と国内法を全く次元の異なるものと考え、互いに独立し、互いに異なる法体系であると考える。

条約が成立しただけでは、国内法に影響を与えない。条約が成立し、それにより生じた国の義務を履行するためには、これに必要な国内法上の立法手続を改めてとることが必要である。

国際法も国内法も同一の次元に属し、同一の法体系に属するものと考える。

国が締結した条約は国内法としても通用する。

【国際法レベルの効力関係】

国際法レベルでは、国家は国際法上の義務を免れるために国内法を理由とすることはできないという考えが、国家の慣行においても学説上も確立している。

常設国際司法裁判所の1932年の自由地帯事件の判決

「フランスがその国際的義務の範囲を制限するために、時刻の立法に依拠することができないのは、確かである。」

条約法に関するウィーン条約27

「当事国は、条約の不履行を正当化する根拠として時刻の国内法を援用することはできない。」

【国内法レベルの効力関係】

国内法のレベルで国際法にどのような効力を与えるかは、各国の国内法、特に憲法の定めるところによる。

オランダ、オーストリア

ドイツ、フランス、日本

アメリカ、スイス

イギリス、アメリカ

日本の場合・・・・・・

【日本国憲法と一元論】

日本国憲法は明確な規定を置いていない。

昭和21年、憲法草案の審議の際、金森国務大臣が一元論を支持。

学説も、条約につき国会の承認を必要とし、天皇の公布を定め、条約及び確立された国際法の遵守を規定していることは、「一元論的な見地のもとに、条約の国内法的効力を認めている」として、一致して一元論を支持。

【条約と法律の形式的効力】

条約の締結に国会の承認を必要とすること及び条約の誠実な遵守に関する憲法の規定から、国内法に編入された条約が法律に優る形式的効力を持つことは、一般に承認されていると考えられる。

【憲法と条約の手続的効力】

(理由)

  1. 98条2項にいう条約の誠実な遵守を実行あらしめるためには、条約の執行を妨げる国内法の成立は否定されるべきであり、その趣旨を徹底させようとすると条約優位と解するのが妥当である。
  2. 憲法の承認している徹底した国際協調主義の立場からして条約優位説をとるのが妥当である。
  3. 98条1項(憲法の最高法規性)および81条(違憲審査)において条約がはずされていることは、憲法は条約との関係において必ずしも最高法規でないことを示している。

(理由)

  1. 条約が憲法に優位すると解すると、内容的に憲法に反する条約が締結された場合には、法律よりも簡単な手続によって成立する条約(61条参照)によって憲法が改正されることになり、国民主権ないし硬性憲法の建前に反する。
  2. 条約優位説が強調する国際協調主義は戦後の国際社会の一般原則であり、確かに日本国憲法を支える重要な原則であるが、そこから直ちに条約が憲法に優位するという結論を導き出すことはできない。
  3. 98条1項および81条から憲法に対する条約の優位が論理必然的に導き出されるわけではない。

【まとめ】

 条約優位説のいうように、国際協調主義と98条2項によって、条約が憲法に優越するという結論が完全に導き出されるとは考えられない。なぜなら、憲法の他の重要な基本原理(人権尊重や国民主権)も考えると、国際協調主義だけを取り上げる説明がつかないからである。もし、条約優位というならば、憲法によって明示する必要があるだろう。

 また、憲法制定当初は、憲法より国際法が優位であると考えられていたにもかかわらず、その後の国際情勢の進展が、条約優位説の欠陥ないし危険性を明らかにしたことを考えると、憲法優位説が妥当であると考える。

(参考文献)

 


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